研究者1203のブログ

「地獄」って何?地獄について考えた記事を色々書いてます。

AIとアバターについて考えてみた。伝統的には、肉体なしで地獄なし

  • 登場人物
    研究者1203 このブログの主催者
    リン    1203のイマジナリーフレンド美少女
    太郎    飼い犬。柴犬。

要旨

前回:勝手にリンがnoteの記事を書いた。AIについて調べた。脳みそ間借りのイマジナリーフレンドから、現実の身体と頭脳を得るために。

今回:AIが能力不足なら、アバターがいいんじゃない?

 

本文

パソコンを開いてみたら、noteに新しい記事が増えている。AI?書いた覚えないけれど。「リン、もしかして書いた?」とソファーに転がっているリンに聞いてみたら、こっちも見ないで頷いてる。

びっくりしたけど、読んでみる。リンの知らない内面が分かって、おもしろい。

「なんか、反応薄いね」って、リンがこっち向いて声を掛ける。

それで「肉体持っても、損だよ」と言ったら、「もっと自由が欲しい」ってさ。いまでも暇してそうだけど。

「AIはまだ馬鹿だからリンの精神を移せないにしても、移ったら大変じゃない?」って聞いてみる。「だって、食べなきゃいけない、病気になる、痛い、しんどいとか、苦しみのもとでしかない」。

そしたら、真面目な顔して、水を一口飲んで、なんか重々しそうに太郎を撫で始めた。「脳みそ間借りの人の気持ちが分かっていない。いまでも楽しいけど。」

「なんでピノキオが、人間になりたがると思う?映画のアンドリューNDR114で、アンドリューが何百年もかけて人間になりたかったと思う?」

ja.wikipedia.org

「アンドリューは見たよ、感動な映画だった。最後、人間になれて、一緒に彼女と死んで、悲しいけど幸せ、みたいな?でも、ピノキオのラストは知らない。」って、パソコン画面から目を離してリンに答えた。

ピノッキオは、1883年に出版されたイタリアの児童文学で、ピノッキオは、最後は妖精のおかげで人間にしてもらうんだ。もともとは木の人形だった。もともとのタイトルは「ピノッキオの冒険」で、ピノッキオはいろいろ冒険しながら、精神的に成長するんだよ。それで、ご褒美で人間になれる。たぶん、困難を乗り越えて、成長して、大人になるっていうのがポイントだと思う。」

「人間になるっていうのが、大人ってこと?」。

「そうだよ」。って答えながら、リンは、絵本のピノッキオを持ってきてくれた。持ってたのか。知らなった。パラパラめくってみる。「それで、なんで肉体が欲しい話なるの?」

「児童文学だから、大人になるのがポイントになるんだけど、アンドリューと同じ。大人になれる、成長できる、最後は死ぬてっとこまで変化できるんだよ。でも、私はイマジナリーフレンドだから、変化しない」。

そう悲しそうな顔をしている。めずらしい。それで、「変化しなかったら、ずっと若くて元気で病気もならず最高でしょ。仏教だったら、肉体があるから苦しんで、この世から解脱したくなる。この世の肉体にこだわる煩悩は、無いほうがよいよ。無駄にしんどいだけだ。」って励ましてみた。

 

www.goodreads.com

でも、「うーん、そこが違う」って即答。髪を撫でつけながら、ソファーに戻って、どすんと寝っ転がってしまった。

それで、腕を上げて爪を眺めながら、もうちょっと話してくれた。「研究者1203は半分引きこもりだから分かんないと思うけど、アンドリューが人間になって恋人と一緒に死んだのが、人間らしいんだよ。いつまでも生きていける技術があっても、変化して死があって、終わりがある。たしかに怖いことだけど、そこがロボットにはできない、AIにも分からない。私は脳みそ間借りのイマジナリーだから、感じられるけど、それは私の死でも変化でもない。感じるだけの損。」。

そういえば、リンはオリジナルでマニキュア作ってた気がする。売らなかったけど、すきな色のやつ。それ塗ってるのかな。もちろん、資本家なりにこだわりの材料。すごいこだわり。

laurier.excite.co.jp

そう思いながら、パソコン作業に戻った。リンはもう、この話に興味なくして、自分の昆虫食の仕事を始めたみたい。スマホに付きっ切り。それで、考えてみたけど、たしかに間借りで他人の老化を感じるだけで、自分のものを持たないのは、不満かもしれない。

キリスト教だったら、ここで、肉体は罪のもとだし、イエスは、マリアの処女懐胎で生まれてる。肉体は欲望のもとで、神の教えに背かせる原因だ。かといって、精神も欲望のもとだから、どっちも裁かれるのだけど。肉体と精神の関係ってどうなってるんだろう。

ルカによる福音書/ 01章 30-35節

すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と呼ばれる。神である主が、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」マリアは天使に言った。「どうして、そんなことがありえましょうか。私は男の人を知りませんのに。」天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを覆う。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。

受胎告知

そこで気づいて、リンに聞いてみた。「じゃあ、AIも無理で、ロボットも六なのはまだないから、とりあえず、アバターにしてみたら?VRの世界で、アバターなら、一応、身体があるよ。頭もいまのままだから、問題ないし」。

そしたら、一気にお腹を抱えて笑い始めた。「知らなかったっけ。ごめん。もうアバターなら持ってるよ。パソコンのそのリンク開いてみてよ、わたしのやつ。VRもチャットもそれ使ってる。ありがとう。」。

って、いわれたリンクを開いてみたら、可愛いキャラアバターで、リンのビジネスの知り合いとつながってるみたい。

「驚かせた?ごめんね。でもそれで、ちょっと自由になったよ、ありがとう。」

それでも、気づいて、「やっぱりそれでも、アバターでは、自分の変化も生死もないままだね。なんかいい方法があるといいけど」って、リンに声かけてた。でも、それには返事せず、またスマホに顔を向けてる。

www.moguravr.com

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AI社会に暮らすのは地獄? 天国?『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

今日は、研究者1203が風邪で寝てるから、勝手に記事を書いとく。起きた時に記事が増えていてびっくりするかも。楽しみ。

私は、こいつのイマジナリーフレンドだから、こいつが寝ているときにしか勝手に動けない。身体がないからね。こいつの脳みそと心に間借りしているだけ。

本当は、こいつが大人になる途中で消えるはずの私だったけど、運よく消えなかった。いいのか悪いのか。だから、自分の身体が欲しい。それで、AIとかロボットとかの記事を調べている。AIに私を乗り移らせて、ロボットがあれば、間借りの居候から抜け出せる。そしたら、イマジナリーじゃなくて、ほんとのフレンドになれるね。

それでちょっと昔に出た本を偶然読んでみたけど、AIはまだ本当の人工知能にはほど遠いようだ。新井紀子さんの『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(2018)。本当の人工知能っていうのは、自分より優れた人工知能を造れる人工知能のことらしい。正確には。

でも今の人工知能、AIは、いまでも「意味」が理解できないそうだ。データのパターンを見出して、パターン通りに、これだ!!っていう似たのをデータから引っ張り出してるだけだって。だから、アイフォンのSIRIに、「何でそう思うの?」て聞いても、「分かりません」て答えるだけなの納得。「あなたはリンゴが好き?」って聞いても「分かりません」。話し相手にもならない。せいぜい「おいしいイタリア料理店はどこ」とか、ネット検索の代行をしてもらうくらいだね。

こんなやつに私を乗り移らせたら、私は大馬鹿になってしまう。それこそ地獄。いまの脳みそ間借りの方がましだ。本当の知性を持った人工知能は、近い未来に実現されないのかな。

いまのAIもどきでは、太郎をなでなでする気持ちよさもわかんなくなっちゃうって、膝の上の太郎のふさふさ尻尾を引っ張る。
太郎は尻尾を引っ張ると少し耳が垂れる。ちょっと緊張するのかな。かわりに頭をなでなでしてあげる。可愛すぎ。AIに乗り移ったら、この可愛さも愛らしさも理解できなくなっちゃう。悲しすぎる。

そう、AIは実質、論理、確率、統計しかできない。パターン見つけて、起きそうなことこを予想して、データ集から検索した答えを出すだけ。なので、文字を見ても頭の中に連想もイメージも伴っていない、01001デジタルデータの羅列に過ぎないそうだ。

要するに、AIは意味を知らないから、こちらで基本になる世界設定をしてあげないといけない。アノテーションとかオントロジー設定というらしい。その世界設定の上でリンゴなりミカンなりの画像や、自動車運転、将棋なりの教師となるデータが必要だそうだ。教師データをみてAIは、自分でデータを分析し出すらしい。画像見て、これはリンゴ、ミカン、ネクタイ、カメラ画像見て次の道路は子供が飛び出す!とか。自分で教師をつくってパターンを発見するのもできるけど、何を何したらいいのという世界設定は人間頼みらしい。レントゲン写真から病気を見つけ出すのも、これまでの症例から教師データを作るって。結局、人間の赤ちゃんみたいに自分で勝手に動き出して色々考えて、怒ったり悲しんだり、話してくれないんだね。

それじゃ、太郎よりも頭が悪いんじゃないか。太郎は柴犬だけど、私のことも研究者1203のことも区別してわかってるし、私の気持ちもわかってくれる。たまに番犬もしてくれるし、ボール遊びも一緒にしてくれる。

じゃあ、私が間借り生活を終える日は、まだ先かな。すると、研究者1203の寿命と共に私も終わるのかな。それもありかな、でも長生きもしたいな。

てことは、イマジナリーフレンドを生み出せる人間の脳みそってすごいのかも。細胞が電気と化学物質で通信しているだけなのに。イマジナリーフレンドは、しかもたまに、英雄にもなれるからね。アニメの「インサイドヘッド」のヨロコビを助けたのって、ライリーのイマジナリーフレンドのピンク象だよ。泣けるね。最後、記憶の墓場からヨロコビだけを救い出して、自分は消えていくなんて。

残念ながら、私が研究者1203のために、そこまでヒーローになれるかどうか分からない。その場になってみなきゃ。

でもでも、そんな馬鹿なAIだけど、人間のいまの仕事を半分は奪ってしまうそうだ。AI世界恐慌!新井さんによれば。まさに経済地獄。だって、人間の仕事って、ほとんど、ルーティンワークだから。右の文字を左に移したり、右の文字が左と同じか確認したり。事務作業なんてそうだよね。銀行の与信判断なんて、経験頼みから、もう過去データから数字さえデジタルで揃えておけばよいって。ブロックチェーンのことだそうだ。文章も、説明文とか結構上手だよね。文章ってけっこうパターンある。

現場作業でも、繰り返しなら、AIが一気にできちゃう。電車の運転なんてだいぶ前から自動。線路の上だし、駅は決まってるもんね。ソニーの自動運転技術は、カーレースゲームで人間よりも強い。お医者さんだって、画像や検査結果の確認だけなら、繰り返し作業だからAIがお得意。コンクリートの劣化場所も、音の判断は、繰り返しだから、熟練またなくてAIで代行か。

そのうえ、人間は全然賢くないらしい。実は教科書が読めない人間だから。教科書の文章が悪いっていうより、ほとんどの人が読めないそうだ。文字は読めても意味は取れない。それがリーディングスキルテストという新井さんの開発した試験で分かってしまった。

そういえば、研究者1203が高校で教えていた時、たしかに読めてなかったかも、生徒は文章。私は間借りだから、一緒にいて、暇だから眺めてたけど、生徒はなんかテストの暗記頑張ってた。「徳川家康江戸幕府を開いた」って文章なら、江戸幕府が空欄になったらそこを生徒は覚えるんだけど、逆に「江戸幕府を開いたのは○○〇だ」になったら、ぜんぜんわかってないんだよね。家康じゃんなのに。これって、同義が判別できない。
だから生徒は、「テスト範囲の例文と同じの出してー」て怒ってたのかな。単に記憶力の問題かと思ったけど、じつは読めてないのかも。

かくいう研究者1203も、この本に載ってた例文をいくつか間違えてた。「ありえない―」って笑ってやったら、なんか言い訳してた。でも、著者の新井さんが作ったAI東ロボくんは、偏差値57あるからMARCHや関関同立レベルは受かるそうだから、ほとんどのひとはAIに負けてるかも。だから、ほとんどの仕事がAIに置き換えられる。営業なんてもうネットが出て、だいぶ前から置き換えだよね、コロナでしづらくなってるし。

でも、研究者1203が寝てるから、文章が単調になる。どうしよ。起きたら、こいつはダメだしするかも。それも面白いけど、逆にふざけてやる。そろそろ起きてくるかな。

ということだけど、AIにできないことがある。意味や感情が分かって、自分で臨機応変に動ける。意味って言うのは、いろいろイメージを頭に持って連想することね。あと、いろんな知識総動員して推測できる。AIは、意味が分からないから、決まったデータしか使えない。人間はいろいろ自分で新しくつなげるよね。私も間借りの身とはいえ、昆虫食のビジネスして、ビリオネアだから。

それで、残る仕事って、臨機応変で、対人関係で、共感出来て、感情つかって、仕事。介護、ダンスとかインストラクター、断捨離アドバイザー、セラピスト、コメディアン。真面目な事務作業してるホワイトカラーって、今でも言われている通り、もうムリゲーね。すべてAI代行で経済効率化して、基本、大企業は消えていくという新井さんの未来予想。
じゃあ、研究者1203は、会社仕事に縁もなければ、人付き合い苦手だから、生き残れないじゃん。どうすんの。

てことは、ホリエモンがよく言ってるみたいに、遊びまくることが仕事になる!というのが正しいのかな。新井さんが例に出すのも、「ほぼ日刊イトイ新聞」。好きなシャツ作って、犬の散歩代行してあげて(太郎の散歩!)、小さい人の困った!を解決してあげて。生活を楽しく生きがいを得られるようなことをしてあげる仕事なのか。

といっても、文章読めないなら、この記事書いてもどうしようもないかも!せっかく研究者1203の代わりに書いてあげたのに。みんなでリ―ティングスキルテスト受ける?でも、研究者1203が喜んだら、それでいっか。

 

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地獄かどうか、「人新世」の資本主義社会に生きること

今さらながら、ようやく読み終わった。斎藤さんの『人新世の「資本論」』(2021)。

とても楽しかったから、飼い犬の太郎をなでなでして、話をまとめてみようと思った。

きっとペットも資本主義で苦しんでいるのかも。太郎は背中を撫でたらよろこんで尻尾を振っている。ここには愛だけだね。お金の関係じゃない。

「そう思うでしょ」とイマジナリーフレンド美少女リンさんに聞いたけど、ソファーに転がって返事なし。
りんさんは資本家だから反マルクス。最近は、環境保護に熱狂してて、いろんなエコビジネス調べてるみたい。

「僕とリンさんの関係は、お金で買った愛情かな、それともほんとの愛だけだと思う?」って聞いてみたら、これまた返事なし。と思ったら、

「犬と一緒にしないで」って。「太郎は可愛いけど」。「昆虫ペーストのサンドイッチ買ってきたよ、食べる?」って話の筋を変える。資本主義にはやっぱり興味ないみたい。

「どんな味?肉よりエコ?」って聞いたら、「おいしいよー。コクがある。朝ご飯にぴったり」

一口食べてみたけど、まあ、おいしいね。普通のサンドイッチ。別に牛肉やシーチキンじゃなくて十分。

でも、斎藤さんによれば、こんな感じでエコな食事するだけでは、足りないらしい。気候変動による危機を回避して、貧富の不平等を直すには。

「斎藤さんによれば、りんさんは資本家の悪だね。環境破壊の鬼だ」
っていったら、「お前が鬼だ。晩御飯も昆虫にする?」ってさ。表現ストレートすぎ。悲しい。

斎藤さんは、情熱的な人間で才能あふれてる気がする。文章から熱が伝わってくるね。犬は表情がないのに好意が溢れてるみたいに見えるように。

でも、「読んで思ったけど、資本主義ってよくできたシステムだよ。壊れないね」って思った。リンさんは、「当たり前、資本主義だから人間生きていけるよー。」って。ミドリムシドリンク飲んでる。エコな美容と健康らしい。これで朝ご飯と昼ご飯一緒かな。

考えてみれば、産業革命後、人口大幅のびたし、寿命も延びたし、天然痘やはしかで死なないし。ハンセン病も減ったし。身体にあばたや障害が残る人ってあまりいない。資本主義のせいで労働者は餓死するだけなら、とっくに人類は絶滅危惧種になってそう。

そういえば、犬も人間と一緒になって数が増えた。今度は太郎、僕がパソコンに集中しているから、リンさんの方に行ってしまった。頭撫でてもらって楽しそう。

とはいえ、仕事無くてお金なくて困っている人たくさんいるし、無理な開発で酷使されてる人もたくさん、それで事故で死んだり病気になったり。仕事無くて結婚できなくて家族もないとか、少子化とか孤独死とか。外国に来て文句も言えずいじめられて働いてる外国人労働者とか。そのうえ、温暖化で海面上昇で街が沈んで洪水で死んだら、お話にならないね。

海面上昇したらどこに逃げたらいんだろう。りんさんなら、「月面?」って答えるかと思ったら、「海の上に住む。船の上。」。意外。そういう手があった。

建設的な解決手段は、狭くなる土地を効率的に使う以外にないかな。

とか思うけど、斎藤さんは、具体的な実施項目を挙げてる。
「脱成長コミュニズム!!」
って叫んだら、「ファシストーーー」って、韓国語勉強しているリンさんに返された。

なんでだか。「環境保護を理由に文化を否定するから」だって。「文化をやめて小さい村に戻れってのと結果的には同じ、70億の人類にそのまま消えるように願ってる」って、簡単に教えてくれた。てことはリンさんも読んだのかな?

斎藤さんが訴える方法は、具体的には、消費組合とか生産組合とか、ワーカーズ・コープを広めて、生産と消費の自治管理・共同管理を進めることだって。巨大なグローバル資本、グローバル株式会社にすべてを任せるのは止めよ!っていう。

任せてたら、商品は変えても、働かされまくって、給料少なくて、ケツの毛まで抜かれて、生きていけなくなるから。ま、正しいな。対抗しなくては。自分たちが生きる場所を作らねば、環境保護しながら、とくに、弱い立場、グローバルサウスの国々の人と協力しながら。

それ分かるけど、太郎が膝に載ってきたので、尻尾を引っ張る。働きたくないのが正直なところ。協同組合でも、人間関係あるし、上司の年寄りに意見聞かなきゃいけないし。不真面目なら嫌われるしクビになるし。しかも給料はもっと少ないし。太郎をなでなでして、食べないで生きていけるのが一番楽なのに。そういう解決方法は無いのかな。

「人間やめるの?無気力すぎー」って笑うリンさんの突っ込み。話してないのに聞こえてるのかな。

斎藤さんの要点は、1使用価値経済(値段じゃない、使うものを)2労働時間の短縮(夜中まで無駄なサービス作るな)3画一的な分業の廃止(ライン作業は、酷使の元凶!4生産過程の民主化(会社執行部だけで決めるな、解雇するな!)ってこと。

でもこれって、資本主義経済でどれも実現できることでしょうってきがする。最近、週休3日ってよく聞くし、シンガポールとかで実験無かったけ。分業ライン工って、もう自動化の時代だし、部分的には途上国に残るけど、その分の教育と医療を提供すればよいんじゃないのかな。4は、会社によると思うな。組合でも構わないし。

要するに、斎藤さんの提案してる生産消費組合を作って、地域社会に帰って、うえの4つを実現しようって、すでに今あるし、資本主義のもとでの選択肢の一つだと思う。だから、実践したら、資本主義を強化するだけだ。脱成長にはならない。成長スピードが遅くなるけど、すでに遅いから問題ない。

でも、グローバル資本主義のなかの戦い方、ゲームの進め方としては大事かな。僕なんてアマゾンとグーグルの奴隷だから、それがなきゃ生きていけなくなる。別の対抗カードを持っておきたい。働き場所だって、種子会社だって、すべてグローバル企業が寡占しちゃったら、もう別のもの買えないし、給料も働き場所も減っちゃうし、ぎりぎり生活になりそう、てかなってる。

だから、グローバル資本主義に生き残れる会社や協同組合を作ることは大事かなって。生きる場所を確保して、どこかの誰かの言いなりにならないために。

そのためには、拡大めざす株式会社でもいいけど、地域密着型でもいいし、協同組合でもいいと思う。選択肢の一つ、戦い方をどう選ぶかじゃないのかな。都会みたいな非効率な場所より、地域で生きるのも選択だと思うけど、どうなんだろう。斎藤さん、その辺には答えてなくて、世界と連帯して戦えって感じで、ビジネス的な詳しいことは、経済の内容は、あまり触れないんだよね。

それに、科学技術と国家を適宜利用しながら、組合中心にさっきのことを実現するのって無理な気がする。

って、説明しだすと自分の論評ばかりで、太郎もリンさんもどこ行った?リンさんに聞いてみたいけど、もうどっか外出しちゃったみたい。太郎の散歩かな。太郎も、殺処分まえに助けてあげたから、名前までもらって楽しそうだけど、そうじゃなければペットビジネスの餌のままでかわいそう。

りんさんが、もらってこようって言いだして、お金あるのに、良い犬は買わないらしい。何でって、「かわいそう!」って目が潤んでた。資本家の発想はよく分からない。

太陽光パネルの開発とか電気自動車の開発とか、そんな簡単なのかな。ってのが斎藤さんの議論の変なとこ。組合作って、そんな小さい規模で研究開発、生産体制が敷けるのかな。電力管理のアプリだって、いまは小さいけどそれを開発し通信環境を維持するのは、とても手間がかかってる。それの人材と資源調達体制くらいの生産力を、組合だけで作り出せるのかな、疑問。

医療品や食料品だってそうで、大規模に工場生産に向かわない限り、70億人分出せるのかな。次の薬を開発できるかな。食品の分配をよくするにしても、地域のための地域消費の分だけでは、足りる気がしない。みんなが地元でとれる一汁一菜に満足すれば別だけど。それってでも、天候不順で飢饉が起きるんじゃないかな。薬の開発の順番は、たしかに抗生物質とか遅れてるらしいけど、それって巨大製薬会社否定よりも、補助金とか税制じゃないのかな。薬の開発を支える人の物資がどっから来るんだろう。

そうすると、グローバル資本に頼らなきゃ生きていけない部分もあるから、戦い方の一つで生産組合も大事だけど、資本主義は残る気がする。

それにそもそも、豊かに暮らしたいって物質的に思ってるのは、北も南も世界中の人間だと思う。じゃあ、禁欲したらいいのかな。でもどこまで禁欲できるだろうか疑問。

それに、国について触れないのも物足りないな。グローバルサウスって事実だけど、北の国と同じように南の国の政治家も腐っているでしょう。それに原因の一つもあると思う。資本主義というより、政治の腐敗の側面も突いてほしいな。それに入らずに、地域活動から乗り越えるって戦略とも思うけど、そのせいで、資本主義と政治の問題の区別と関係がはっきりしないかな。アメリカで医療を受けられない人が多いのは、資本主義というよりアメリカ人の考え方のせいじゃないのかな。日本もドイツも国民皆保険の資本主義国だし。

とこれくらい書いたとこで、「ただいま」ってリンさんが帰ってきた。水筒から水飲んでる。太郎も水入れからはあはあした出して飲んでる。おいしそう。「おかえり」っていいつつ、手洗いしたリンさんが隣に来て画面覗いてる。髪がいつもきれいだなって思う。

「長くてつまんねー。」とのお言葉。笑顔だから嬉しいけど、やっぱりつまらないか。「一個抜けてるよ。文化の話」って。「どんな?」って気になる。

「文化活動してない研究者1203には分からないと思うけど、市場があるから文化があるんだよ。」

いや、文化活動してるけどと思いつつ、このノートの記事だって、「市場で無駄な生産と労働者の不幸があるからじゃない」って返事したら、「抽象的ーー。」て怒る。「斎藤さんは、必要の国と自由の国を分けて、生産を必要、文化を自由に分けてる、それで両方大事だけど、必要、つまり生活に必要なものの生産は、無限の欲望にするんじゃなくて適正にしようって。それはいいよね、無駄な労働時間へるから」。

たしかに、そうかも、と思いつつ、うなずいて先を促す。「で、それはいいけど、どうやって不要不急とそうじゃないのを分けるの?って思う」と言う、真面目なリンさんの顔を見てると幸せ。
「ギターを中学高校生でも買えて、みんなで仲間でバンド出来て、ネットでいろんな作品をいろんな人と交換出来て。これってギター生産の市場とネットの通信環境があるからできるんだよ。もしギターが組合で生産で値段高かったらどうする?高校生買えないし、シェアしたら、いつ順番回ってくる?そもそも生活の必要か文化かって、誰が決める?選ばれた人だけがギターを貰えるの?って思う。ネットで交換しなかったら、どうするんだろう。近い家族と村の人だけで交換するのかな。身近な人たちで楽しむのも大事だけど、それ以外はしちゃだめなのかな。無駄なのかな。環境のために諦める?」
って、一気に話してくれた。「そうだねー。どうやって不要不急を決めるんだろう。考えてみれば、ゲームだって、べつに不要不急だけど、文化だよね、電気使うし無駄にサーバー使うけど。会社がいろいろ開発して市場で発売してくれるから、どんどんいろんな音楽聞けるし、ゲームできるよね。なんなら自分でも開発出来て。楽しい。」て答えたけど、これでリンさんどう思うだろ、お気に召すかな。

「そうそう、斎藤さんの話は、大事なんだけど、環境保護と労働者保護の名前の下に、文化を諦めるんじゃやないかなって思う。それとも諦めろって弾圧するかも。村の伝統的な音楽と一汁一菜で満足して禁欲できるひとはいいけど、禁欲して他を知るな、諦めろって、ちょっと困るな。私はもっといろんなの聞いてみたい。」って。

「でも、海面上昇で死んだら、文化も糞もないんじゃない?」って笑ったら、リンさんは怖い顔して、「わかってる―!」ってさ。だから、「斎藤さんは加速主義否定するけど、技術で問題をクリアするのを真剣にしなきゃだよ、斎藤さんの本見ても技術は詳しくなさそうな人だし。それに、環境も考えなきゃいけない物の値段のつけ方とか、いまは環境保護もみんな熱心だし禁欲も広めたらいいんじゃないかな。斎藤さんみたいな禁欲主義、私は明るい禁欲主義、楽しい禁欲がいいけど」。

リンさんも答えはないみたい。ソファーに戻っていった。お腹空いたし、「お昼食べる?とんこつこってりラーメン?」ってリンさんにも声掛けたら、「禁欲!」って水飲んで笑ってる。

 

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手始めに「地獄」の国語と外国語を調べてみたら。

イマジナリーフレンドの美少女リンさんに、喫茶店の店長さんの話をしてみた。
地獄について考えてみてよって、現代のどういう意味か、みんなが言ってる地獄は地獄じゃないよって。

でも、リンさんは、「地獄って怖くない?」って。文章のタイトル見ただけで、「なんか暗くなるから読む気なくなりそう。それ読む人って、かなり変わってるか、宗教っぽいのが好きなんじゃないかな」。

その通りかも。破産とか病気とか、地震とか、死ぬ話とか、聞きたくないし。それについて詳しく調べて比較して書いても、なんか楽しくなれなさそう。

それで思って、「じゃあ、そっからどっかの変な団体に勧誘されるみたいな感じ?」って聞いてみたら、リンさんは、「いや、それはやばいでしょ。」

すると、どうすればいいんだろう。地獄は、イメージ自体が悪いから、世の中、みんな「地獄」って言葉を何の気なしに使う割には、興味がないか。

「ということは、この記事はやめたほうがいいかな。書いても誰も読まなそう。せっかく店長さんに聞いてみたけど。店長さんの好みと一般の好みは違うもんね」。

それでもリンさんは、「いや、怖いの好きな人も多いよ。ゾンビ映画よくあるし。お化け屋敷もあるでしょ。地獄っていうくらい悲惨な悲しい映画もあるし。そういうの見たい人もいるかもよ。私はあんまりつまんなそうだけど。」ってさ。

リンさんは窓辺に立って外を見ながら話してるけど、私は、「あー、ゾンビ映画好き。血みどろ映画はあんまりだけど。」っていうくらいの返事しか出ない。それで、「じゃあどうしよっかなー。良い案がでないし、後に回すか」って思ったけど、リンさんは、「ちょっと、いや、いつも人に受けないつまらん研究してるでしょ」って厳しい追い込み。

それで、ちょっと一般的な研究らしく、語源、語彙から地獄をあっさり検討してみる。「どう思う?」って聞いたら、「さあ、記事の好きマークが増えたらいいね」ってリンさん。

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地獄の単語の一覧


リンさんがのぞきに来て、なんも意見無し。YouTube合気道動画見ながらしたから、時間かかってしまった。

日本語でも、地獄、黄泉、奈落とかあるけど、何が違うのだろう。

リンさんは、中国語にも地獄へ落としてやる!ってセリフを見つけて、笑ってる。

ドイツ語の例文には、「Er will seine Macht vergrößern, indem er möglichst viele Menschen verführt und in die Hölle bringt.」(彼は、できるだけ多くの人を誘惑して地獄に送ることによって、自分の力を高めようと思っている)というのはあった。

自分で地獄に落とすのじゃなくて、地獄に行かざるを得ない状況に追い込むのかな。キリスト教だと、罪を犯すことで地獄行になるので、人間が相手を地獄に落とすのはできない気がする。

てなことを調べてみた。ギリシア語の地獄も入れたらよかったかな。

韓国ドラマ見たら、いろんな地獄のセリフとか出てきそう。ネット見ると、結構、地獄の韓国語単語説明のページがあった。
リンさん、韓国ドラマ見たか聞いてみたけど、「まだ見てない」って。映像好きなのに意外。

 

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地獄について書いたらどうよ。始まり。

地獄っていっても、リアルな地獄の宗教宣伝じゃないよ。

専門書というより、なんか軽い楽しい売れる本ないかな。
そんなことをいつも行く喫茶店の店長に相談してみた。
いろんなお店を出してて面白店長だから、なんかいいアイディアもってそうって。
やっぱり自分で商売している人じゃなきゃ、売れるものは考えられなさそうだ。
私も研究者だから研究書を出したけど、半分自費出版みたいなもので、今の勤務先がお金を出してくれたんだけど、一般流通はほとんどなし。売れても図書館が買うだけ。内輪で回ってるね。

実は、出版社は、執筆者が入れたお金でほとんど元が取れるみたいな。
だから、人文系の研究書なんてよっぽどの人の以外は、どこの出版社から出しても、自費出版と変わらない。

で、今度はそんな状況では意味ないから、売れるのがいいなと。
儲かることはないけど、なんか人に読んでもらえるのがいい。そのほうが楽しいから。なんかそっから仕事の幅も広がりそうだから。

で、もらったアイディアが、「1203君、地獄について書いてみなよ」。

偶然、横にいたお客さんが話してた言葉に、「さっきの聞いた、地獄、これのこと」、とさらに続けて店長さん。

お客のセリフが何かっていうと、「さっき、河原町歩いてきたんですけど、この雪のちらつく寒い日に、若い女の子が、レンタルの薄っぺらい着物着て、打掛もなしに歩いてたんですよ。これ見て、まじ地獄やなって思いました」。
若い男の人のセリフ。

この地獄って一体なんやろうという感じだけど、店長さんは、「『レンタルの薄っぺらい着物』っていうのがミソやで。そこ外したら難もおもんない。1203君は真面目やから、そこ削除しそうやろ」。って、店員さんに振り向きつつ説明してくれた。

要するに、「今の人も地獄って使うけど、それってホントの地獄じゃないやん。地獄って、そんなもんじゃない、もっとありえへんところ。ヨブ記見てみたら、むちゃくちゃやろ。」

ヨブ記は、聖書に出てくるけど、たしかにありえん。主人公のヨブは、真面目なのに勝手に神の思い付きで家族が死んで財産も失って友人も無くなって、病気になってホームレス。神に何で真面目に信じてるのにって聞いても、偉そうに問うなというお返事。どうしようもない。
最後は、助けてくれてまた幸せになりましたっていうけど、死んだ家族は戻らんやろう。

で、それで、そんな昔ばなしではなくて、現実社会ならどんな例があるのか。
店長さんがいうには、経済で言えば、倒産と自己破産て思いつく。会社を自分でしてるからね。そうなったら、大変だ。
でも、そんなのは、「ほんとの地獄じゃない」とのお言葉。「そんな地獄って、人間が作ってるだけでしょ。もっと深い地獄がある。」

まあ、たしかに、そうかも。倒産自己破産してる人は世の中たくさんいるし、それでみんなが自殺するわけでもないし。

でもどうなんや。ヨブとか極端な例と比べたら、なんでも地獄にはならないな。焼身自殺で燃えてる途中の痛みも、地獄にならんよね、その間は痛いけど、死んで楽になる希望はあるわけだし。

でも、店長さんに聞いてみたら、「いろんな分野の地獄があるよね、わたしたちが地獄だって思いこんでる地獄シリーズ。政治でも、法律でも、人間関係でも、宗教、文化でも。それで一冊エッセイ集できるじゃん」。

そういうもんか。たしかに地獄シリーズでたくさん書けそう!
地獄少女の「一遍死んでみる?!」が頭に思い浮かぶよね!
かわいい顔した怖いセリフ。

って言えたらいいけど、よく考えてみたら、現代社会の地獄という言葉の使われ方と連想を調べてみるという話かな。

それって、どうやったら面白くなるんだろう。

地獄。閻魔大王に下を引っこ抜かれるって考えがすぐに出てくるけど、ヨブ記に実は地獄って出てこない。あれは神との対話で、悪魔と神と天と地上が出てくる。
そんときにユダヤ人に地獄っていう発想はなかった気がする。
地獄少女は、なぜか地獄の入り口は鳥居が立ってて、船で移動してるけど。

面白いエッセイってどうやって書きますか。

 

 

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